三角形に綴じた四角形のノート。「カドトジ帖」を一言で言うならこうだ。ノートには稀な正方形の形状と、１つの角を伝統的な和綴じで留めただけのシンプルなつくりが目を惹く。その和綴じが三角形をしているのである。綴じ目を右上にして右開きにするか、左上にして左開きにするかは使い手に任されている。正方形ゆえに自由だ。

　カドトジ帖を開発したのは、色紙や短冊、和本帖メーカーの尚雅堂だ。2003年頃からオリジナルの和文具製品を開発し始め、和歌や書などの分野に携わる人向けの製品だけではなく、一般の生活者が使いたいと思えるようなレターセットやぽち袋、朱印帖などを企画してきた。

　カドトジ帖の表紙には、同社のオリジナル商品に使われてきた伝統文様から8種類の柄を選ぶことで、朱印帖や和本帖のような雰囲気を残した。「従来の技術を生かしながらも、インパクトのある商品になった」と代表取締役社長の松尾安浩は話す。